ウシロスガタ 【完】
《翔クン、ごめんね。冷夏やっぱり翔クンと離れる事なんて考えられないょ…3時まで待ってるから…来る事信じてる》



冷夏からのメールを見ながら携帯を握りしめてる手に力が入っていた。



俺がもっと早く着いていれば……



たった10分くらいで俺たちはすれ違った。



冷夏はやっぱり、ここで待っていてくれたんだ。



ひとり冷たい風にあたりながら



俺を信じて待っていてくれた。




もっと早く冷夏のメールを……



「冷夏ぁ…!!!」



俺の声が静かな秋の始まりの夜に響いていた。



冷夏と出逢った季節はもう終わりを告げていた。



そして俺たちも……



夏の終わりと共に終わってしまうのだろうか。
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