ウシロスガタ 【完】
「どうするの?」
俺から視線を反らしながら、そう一言つぶやいた。
恵梨のその言葉を、自分に問いかけている自分……
重苦しい状況の中、俺の頭の中は真っ白で、
だけど、時々
楽しくて、幸せだった日々だけが脳を横切る。
恵梨の質問に答えることが出来ないまま、俺たちの表情を交互に心配そうに見つめながら冷夏がまた席に戻ってきて、俺の目の前に腰を下ろした。
「ねぇ?どうしたいの?このまま別れるんだね」
さらに、追い打ちをかけるような恵梨の言葉が、静かな俺たちの席に響き、冷夏は俺の方を見ていた。
「どうしたらいいかわからねぇ~んだよ」
そう、今の俺にはその言葉しかしらない。
その言葉が、冷夏をどんな気持ちにさせてるかさえ、もう考えることも出来ないくらい
自分だけが、悲劇のヒロインでいた。
「逃げてんだよ」
“えっ……?”
ずっと、俺の方を優しそうな眼差しで見つめていた冷夏が発した言葉は、あまりにも残酷で、
俺の思考回路を一瞬で止めた、
その言葉を放った冷夏の眼は、俺に向けられているのに
瞳は、俺をうつしてはいなかった。
「もう、時間ヤバイから行こう?」
まるで、それは俺に最後だと遠まわしに伝えられ、
冷夏は机の上に無造作に置かれた伝票を手にして、その場で立ちあがった。
「いいの?冷夏」
恵梨の言葉に小さく頷き、俺を見ながら口元だけを緩めた。
俺から視線を反らしながら、そう一言つぶやいた。
恵梨のその言葉を、自分に問いかけている自分……
重苦しい状況の中、俺の頭の中は真っ白で、
だけど、時々
楽しくて、幸せだった日々だけが脳を横切る。
恵梨の質問に答えることが出来ないまま、俺たちの表情を交互に心配そうに見つめながら冷夏がまた席に戻ってきて、俺の目の前に腰を下ろした。
「ねぇ?どうしたいの?このまま別れるんだね」
さらに、追い打ちをかけるような恵梨の言葉が、静かな俺たちの席に響き、冷夏は俺の方を見ていた。
「どうしたらいいかわからねぇ~んだよ」
そう、今の俺にはその言葉しかしらない。
その言葉が、冷夏をどんな気持ちにさせてるかさえ、もう考えることも出来ないくらい
自分だけが、悲劇のヒロインでいた。
「逃げてんだよ」
“えっ……?”
ずっと、俺の方を優しそうな眼差しで見つめていた冷夏が発した言葉は、あまりにも残酷で、
俺の思考回路を一瞬で止めた、
その言葉を放った冷夏の眼は、俺に向けられているのに
瞳は、俺をうつしてはいなかった。
「もう、時間ヤバイから行こう?」
まるで、それは俺に最後だと遠まわしに伝えられ、
冷夏は机の上に無造作に置かれた伝票を手にして、その場で立ちあがった。
「いいの?冷夏」
恵梨の言葉に小さく頷き、俺を見ながら口元だけを緩めた。