冷たい世界の温かい者達
「僕、ちょっと外行ってくる」
衣緒はそう言って部屋を覚束ない足取りで出て行った。
『……危ないぞ』
由薇が小さくそう言ったが、扉を閉めた後なので当然衣緒には届いていない。
溜息を吐いた由薇は寝転がっていたベッドから下りて携帯をズボンに入れた。
『少し行ってくる』
「……あぁ」
多分、衣緒は“夢”を見たんだろう。
由薇に、話すか話さないかはあいつの勝手だが……
1人で溜め込むことだけは、やめておけ。
目を瞑って息を吐くと、影助が笑った。
「正直、行ってほしかったものの、行ってほしくなかっただろ?」
「……るせぇ」
複雑。
てか、影助マジでうぜぇ。