冷たい世界の温かい者達





「……昔、俺がちっさい時。





誘拐されたんだよね。





金欲しさに狂った奴に。






誘拐なんて小さくてあまり理解できてなかったけど、只々怖くて。





ずっと「助けて」って、願ってた。










けど、それが間違いだったかもしれない」








一旦言葉を切った。






何だか、間を置かず言ってしまえば泣いてしまいそうだったから。








「……警察が、来たんだ。




1人の、少し貫禄のありそうな…優しそうな男の人。






その人が俺の為に必死で犯人に訴えかけてくれてた。





それで安心した俺はずーっと泣いて、小さな声で「助けて」って呟いてたんだ。






……それが、犯人にとって煩わしかったんだろうね。





俺を投げ捨てて、持ってた銃構えて狂ったように叫びながら俺に向かって撃とうとしたんだ。







……その瞬間さ、






男の人が俺を抱きしめるように覆いかぶさってきて……3発の銃声と同時に小さく身じろぐ男の人。





だけど、絶対に俺の体を離さずずっと抱きしめてくれてたんだ。




一瞬、何が何だかわかんなかった。





男の人は口元から血を吐きながら俺に微笑んで、他の警察が乗り込んできて犯人取り押さえた瞬間…役目を果たしたかのように、力を抜いて息をしなくなったんだ」








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