冷たい世界の温かい者達
「……由薇」
ハッとしたように体をはねさせた由薇は笑ってこっちを振り返った。
『朔の香水の匂いする』
「着てんだからするだろ」
イチゴオレのパックを受け取った由薇は特攻服をクローゼットにしまって、ベッドに座る俺の隣に腰掛けた。
『彼女居る子案外少ないね』
「女が嫌いな奴が多いからな」
『あら、私はどうしましょう』
「お前は別だろ。
つか変な喋り方すんな。」
缶コーヒーを置いてじっと由薇を見ると、視線を不審に思ったのか俺の顔をじっと見返してきた。
「……なぁ」
『何』
「……俺、お前が好きだっつったよな」
『んげほっ』
飲もうとした瞬間にそう言うと、由薇は噎せた。
イチゴオレのパックを握ったのか、ストローからピンクの液体が由薇にかかった。
「……」
『……』
「……はぁ。 何してんだお前」
『それは朔が変なこと言うから……』
変なこと……なぁ…
ぐっと手首を握ってベッドに押さえつけると、由薇は狼狽したように目を泳がせた。
「お前、俺が惚れさせるって言って『好きにしろ』っつったよな?
何今更照れてんだよ」
『あれは冗談だと思って…』
「へぇ?」
ニヤリと笑うと、由薇は少し身を捩って抵抗を見せた。