冷たい世界の温かい者達
何も言わず、ムードも無しに唇を重ねると、由薇は目を大きく見開いて一瞬口を開けた。
その隙に口の中に舌を忍ばせれば、甘く香るイチゴオレの味。
とんでもなく甘く感じるのは多分甘いものが嫌いだからじゃなく、由薇とのこの甘美すぎるキスのせいだろう。
ちゅっと音を立てて唇を離すと、由薇は真っ赤な顔で思いっきりそっぽを向いた。
「……なぁ」
『……』
「返事しねぇとまたすんぞ」
『何』
……即答されたのに軽くショックを受けながら、顔を近づけて耳元で囁く。
「キス嫌だった?」
『……』
「由薇」
目を泳がせる由薇を呼ぶと、由薇は戸惑ったような表情をしたまま口を開いた。
『……わかん、ない』
まだ意識もされてねぇが、嫌がられてはないらしい。
ニヤリと上がる口角に自分でも不気味に思いながら、いまだにそっぽを向き続ける由薇の無防備な首に舌を這わせた。