代打、俺!!



ちょっと手が空いたときにばれないように爽の後ろにいった


ってか、爽が熱中しすぎて私に気づく感じもないし


「次爽が打つ?」

急に声をかけたから爽がびっくりしていた


「あはは

打てると思う??

マシンで打ってもバッピで打っても前に飛ばねーよ」


そんなのわかんないじゃん


「前に飛ぶかやってみたら??」

「いいよどうせできねーから

暇ならティーバツやってよ」


爽がティーバッティング!?

え、打つの!?


だってこの前まで無理とかほざいてたじゃん!!


私が少しおどおどしていたら爽が不思議そうな顔で見てきた


「そんなにおかしい??

まぁ、できるかどうか試してみようかなって」


「なんだー

そんなに打ちたいならもっと早くいってよね」


嬉しかった


あんなに苦しんでいた爽が自分から打ちたいって言ったんだもん


「ちょっと待ってて!!」

私は走ってボールがあるベンチの前に行った


ちょうど一箱残ってたからそれを持って爽がいるグラウンドの隅にいった


そこにいる爽は久しぶりにみる爽のバットを持っていた


いつもこのバットがみんなに勇気を与えてくれた

みんなをピンチから救ってくれた


「い、行くよ」

なんか緊張してきた……

爽に向かってボールを投げると鋭い金属音を立ててボールは前に飛んだ


そしてすごい勢いでネットにぶつかる


爽がネットに向かってティーバツするのなんて久しぶり


周りのみんなもそんな爽に気づいたのかみんなニヤニヤしていた



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