【完】るーむしぇあ。
そう言ったのは、美雪じゃなくて葵だった。

いつも穏やかな葵がそんなことを言うなんて想像していなかった私と美雪は、グラスを持ったまま固まる。


「だって、陽菜あんなに一生懸命だったのに!」


「葵……でも私、何も努力できてなかったし……10回目の告白する前にやれることは全部やるって言ってたのに」


結局私は何もしてない。

少しずつ親しくなっていけた現実に満足してただけだった。


「そんなことないよ」


今度は美雪が言葉を発した。


「私知ってるよ。あんたが駅前の本屋で料理の本一生懸命読んでたこと」


< 324 / 362 >

この作品をシェア

pagetop