はじめからおわりまで
どうかお化けじゃありませんように、なんて思いながら恐る恐る声がしたほうを振り返る。

と、暗闇に浮かぶように真っ白な子猫がこちらを見ていた。

「にゃあ」
もう一度、猫はないた。

目が合う。


夜はもう深くて、公園には私と猫以外、誰もいない。

「おいで」
猫に手招きをする。

「一緒にお月見しようよ」

そういうと、言葉わかるのか近づいてきた。

「かわいい」
抱きあげて、またブランコに座った。

「私ね、家に帰りたくないんだ」
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