響〜HIBIKI〜
「もう、本当に吉川さん来ちゃうよ」


「待たせとけば、いいの」


後ろから、首筋にTAKAHIROの唇が触れる。


「んっ」


ピンポーン、ピンポーン。


「あぁ、ヨッシー、来ちゃったか〜。仕方ないなぁ、かな、夜までお預けな」


「ちょっと、私がお預けみたいに言ってる?」


「うん」


TAKAHIROは、寝癖の髪をかきあげながら笑った。


今日も花奏を残して、仕事だ。


「あ〜、ギリセーフ」


駐車場に車が止まり、TAKAHIROが事務所へと駆け込んでいく。


「何が、ギリセーフだよ〜。ったく、TAKAHIROの奴、幸せそうな顔して…」


マネージャーの吉川は、怒っているのか呆れているのか、TAKAHIROに掛かったらいつもこの調子だ。
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