私は彼に愛されているらしい2
てっきり厳しい意見が来るのではないかと構えていたみちるは思いもよらない優しい言葉に目を丸くした。

そしてその言葉を深く受け止めて噛みしめながら笑みをこぼす。

「ありがとうございます。」

自分たちの選択は間違ってはいない、そう勇気づけられたようでみちるの表情はまた少し輝きを増した。

「ね、みちるさん!婚約指輪とか貰ったんですか?」

「ううん。要らないって断った。でも代わりにコレを買ってくれたよ。」

そう言って耳に飾られたピアスを指で触れる。

いつもよりも輝くその耳元にあるのは上品な光を放つダイヤモンドのピアスだ。

「わ…可愛い。キレイですね…。」

引き寄せられるように手を伸ばすが触れてはいけないような気がして、ゆっくりと伸ばしていた指を拳を握るように丸めた。

みちるの雰囲気によく似合うシンプルだけど存在感のある上品なデザインにセンスの良さを感じさせる。

「けじめってこと?」

「はい。そう言ってました。」

舞の問いに答えるみちるは凛々しく見えて有紗は目を大きくした。

とたんに感じた何とも言えない虚無を胸にしまって肩を落とす。

「やるな。さすが竹内アカツキだわ。」

社内恋愛は有り得ないが、かつて竹内を求めてきた女性陣のように逃した魚は大きかったという気持ちが生まれてどうしようもない。

こんなにいい男だったなんてどうして気が付かなかったのだろう。

「はあー…やっぱかっこいいな、竹内さん。」

「その内あんたもこうなるわよ。」

「え?どうしてですか?」

「だって、有紗は結婚を前提に付き合ってるんでしょ?」

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