私は彼に愛されているらしい2
大輔との距離を取った、でもそれでひと段落した訳じゃない。

恋人なのに寄り添わないことに意味があるのだろうかと少し首を傾げてしまったのは誰にも言えそうになかった。

あのままいれば間違いなく自分は壊れていた、それは確信している。そこに至ろうとしても大輔との縁を切ろうと思わないのは何故だろうか。

前とは変わらない、また違った意味で毎日追われているような感覚に陥っている。

これは幸せなのだろうか、それとも。自分に問いかけることも増えてきた。

1日が恐ろしいほど早い。

でも仕事が終わってからの時間はとてつもなく長く感じるのは緊張しているからだ。

仕事はいい、没頭していれば余計なことは何も考えないで済む。幸いなことに忙しい時期で毎日残業状態だからまだ家にいて1人になる時間は少ない、それでも長く辛いのだ。

こんなことでいいのだろうか。これで前に進めるのだろうか。本当にこの人でいいのだろうか。

距離を置いたことも含めて自分は間違った選択をしてしまったのだろうかと横になればそればかり頭の中で自問していた。

しかし時が経つにつれ今では逃げたい気持ちと追い詰められていく気持ちでいっぱいになりそれ以外の考えはかき消されてしまう。

余裕は、ない。

自分で自分を追い詰めているのかもしれないが想像以上に窮屈ですべてが嫌になった。仕事だけが救い、いやもう逃げ場所に近かった。

そんな状態がいい筈ではないと分かっている、そう思い始めていた矢先のことだった。

有紗は仕事で大きなミスをしてしまったのだ。

相手先に送るFAXや郵送便、それらの内容を間違え期日に間に合わない状況を作ってしまった。

よりによって複数の関係者がいる場所の部品、仲間内では沢渡とラップしている部分で内外問わずに大きく影響を与える場所だったのだ。

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