恋しくて、

タワー

現場がそんなことになってるとも知らず、俺は男を追いかけ続けていた。

友山「どこに行く気だ?」

ビルの続く裏路地を抜け、大通りを横切る横断歩道をいくつも渡る。

それにしても、今日は暑い。

さっきまで、クーラーの効いた車の中にいたから、今日がどれほど暑いかということに、頬をつたう汗に気づかされる。

それとも、緊張しているからか?

気がつけば、俺は公園の中にいた。

木々が程よい陰を作り、葉っぱの揺れる音が心地いい。

周りには、遊んでいる子どもたちがいる。

俺の追いかけている男には、その場所は明らかに不釣り合いだった。
< 8 / 16 >

この作品をシェア

pagetop