血魂の彼女[短編]
「どうした、阿久津」

「宇海は?」

しまった、宇海の話はしてはいけない。

ガラリ。



「ここにいるよ?


どうしたの?」

宇海が迫ってくる。

今は宇海が怖い。


冷や汗をかく。

「おい、近い」

「恋人だからいいじゃん!」

「よく…ないっ」

宇海の身体を押す。

ドタンッ

「い…たっ」

「ごめん、宇海」

手を差し出すが払われる。

「阿久津の目の前でなんでみんな

殺害されるか知ってる?」

「は…!?」

「本当は疑ってるんでしょ、

私のこと。

いや、その反応じゃ確定してるね」

「宇海、何言って…」






「だって全部私がやったんだもん」



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