ウラ/オモテ
「あ、ちょい待ち。」

はい?



「…名前なんて言うの?」



「・・・。」



嘘でしょ…。

確かにあんまりお互い知らないけど
まさか、出会って結構経つのに
名前知られてなかった!?


うぅ…これはさすがに痛いです…



「どうした?」

「…いえ、なんでもない…です。」

「敬語?」

「咲乃美咲、わたしの名前。」

「そっか!」

「うん。」


本当にショックです…

彼は笑いながら
「咲乃かー」なんて言ってる。




なんて言う間に駅についた。

上宮くんと乗る電車も一緒で
わたし達は電車に乗り込んだ


「人多いな。」

ちょうど帰省ラッシュで
人がいっぱいで立っているのが
やっとという状況



『西短堀~西短堀~』

アナウンスのあと
ドアが開き電車に
つまっていた人々が
一斉に降りる

ドア付近に立っていたわたしは
人混みに流されそうになった


「おっと」

背中を大きな手が支えてくれた

上宮くんだ。

「大丈夫?」

「う…うん、ありがと」
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