ウラ/オモテ
その後も混む車内で
さりげなくそっと手を
そえてくれていた。

制服の生地が少し薄くて、
手から体温が伝わってくる。


人の温もりって
何か安心するかも…


「咲乃?」

はっ

「…ごめん、ぼーっとしてた…」

何考えてんだ、わたし…。


「変なやつ」

彼は微笑みそう言う




『亀橋~亀橋~』


「俺、ここだから。
また明日な」

アナウンスの後上宮くんは
そう言って手を振り、
降りていった


結構人が降りたので
空いた椅子に腰を下ろす

何か今日はいっぱい話した…
疲れたというか、
新鮮だったというか
楽しかったというか…

ん!?
楽しかった…??
いやいや楽しかっただなんて…

自分でも訳の分からない
自問自答を繰り返している
間に駅につき電車を降りた
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