幸せの掴み方
「実は、俺は、子供を作ることが出来ない・・・・・・
 だから柚や菜々美、そして真之介が生まれて、俺は、今、子供を
 持つことが、いいや、子供を育てるという事を経験させてもらっている。

 自分としては、絶対にかなう事がない夢だと諦めていた・・・・

 でも、柚に再会し、柚が離婚して一人になった時、結婚しなくても
 良いから、側に居て、菜々美やお腹の子供と一緒の時間を過ごしたい
 と、心から願った・・・・

 だから、今、その夢が叶って、嬉しいんだ・・・・・

 だからと言って、菜々美や真之介を、独占するとか、そう言うつもりは
 ない・・・・

 子供達の血の繋がった父親は、相楽さん、あんただ。

 あんたが、これからどう菜々美たちと接していくのか、それは分からないが
 でも、二人の父親として、子供達を見守って欲しいと思っている。」


圭祐は、湊の言葉を聞き、改めて、柚葉と会い、あの時の謝罪をし、
自分自身が、人として、菜々美たちの父親として成長したいと思った。

「お話は、分かりました。

 久瀬さん、どうか、柚葉や子供達の事をお願いします。
 
 私に出来る事がありましたら、なんでも言ってください。
 
 私も、あなたのように子供達に恥じないよう、また柚葉達を
 見守れるよう、努力していきます。」

圭祐は、湊にそう宣言すると、右手を出し、お互いで握手を交わした。

圭祐にとっても、湊にとっても、すがすがしい時間だった。
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