幸せの掴み方
それから圭祐は、9月一杯で会社を退職し、信二の会社に入社すること
になり、その際、社長の息子と解らないように、木崎の姓を名乗ることにし、
一からのスタートを切る予定で、信二と話がついた。

退職を知った、会社の女性陣は、大騒ぎになり、圭祐が退職するまで
毎日のように、圭祐を誘い、そんな圭祐はウンザリしていた・・・

柚葉は、圭祐と付き合うようになってから、柚葉は、優香達と頻繁に
飲みに行く事が無くなり、その分、社内の女性陣から絡まれることも
無くなった・・・

その分、柚葉は、圭祐のマンションで、圭祐の身の回りの事をするため
週の半分以上は、圭祐のマンションで過ごしており、圭祐が苦手な
家事や料理をし、圭祐を支えるようになっていった。

9月が終わり圭祐は、無事に退職し、明日からは、信二の会社に入社するため
圭祐は、緊張感に襲われていると

「どうしたの?圭祐?」

そんな圭祐の状態を知ってか、柚葉は、圭祐を背中から抱きしめた。

圭祐にとっては、そんな温もりが嬉しくて、

「うん、明日からの事を考えていたんだよ・・・」

圭祐は、今までと同じ商事会社ではあっても、扱っている商品や
仕事のやり方など、今までとは違う為か、少し心配なっていた。

そんな圭祐を、柚葉は、

「大丈夫だよ・・・圭祐は、圭祐らしく仕事をすればいいのよ。
 それに誰も、圭祐が社長の息子だって知らないでしょ?」

「うん・・・社長とその秘書しか知らないみたいだ・・・・」

「なら、圭祐らしく、今まで通りでいいんじゃない?」

柚葉は、そう言いながら、圭祐を優しく包み込んだ。
< 32 / 310 >

この作品をシェア

pagetop