World Walker

女神神話

「ぐ…」

立ち上がろうにも立ち上がれない。

そんな深手だった。

流れる血を片手で押さえて止血しつつ、皇帝は忌々しげに馬上のりせを見上げる。

「この俺に苦汁を舐めさせるのが、二度とも女だったとはな…」

「そうやって女を馬鹿にしてるから、アンタは負けたのよ。私にも乙女にもね」

ようやく整い始めた呼吸で、りせは言ってのける。

「他人を見下しているうちは、何度でも痛い目見るわ。その傲慢がアンタを敗北させるのよ」

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