World Walker
鬩ぎ合いはかれこれ数分続いている。

「ぐ…うぅぅっ…!」

葬送の炎を受け止めているりせの両手は、もう血塗れだった。

焼け焦げ、皮膚が剥がれ、今に肉さえ削げ落ちて骨が露出するだろう。

かたや姫羅木の神通力も消耗が激しい。

間もなく四尾のうちの一本分の神通力を消費する。

彼女が天狐でなくなるのも時間の問題だった。

尻尾一本分でさえ、単純計算で二世紀半の生命力を使用しているというのに。

「認めざるを得んわ…大した剛の者じゃ…お前は…!」

歯噛みしつつ呟く姫羅木。

四尾の内の一本が、遂に消失する…!

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