World Walker
第三の世界

赤い月

光のトンネルを抜けた先は、夜だった。

「……」

御影市、彼の地、冬城町。

今まで訪れた地は、全て昼間の到着だったが…まぁそういう事もあるか。

りせはそんな事を思いながら周囲を見回した。

暗い。

当然の事ながら周囲は真っ暗だった。

幾つか建物も見受けられるが、灯りのついているのは数えるほどしかない。

その灯りでさえ、煌々と照らすものではなく仄暗い程度。

暗闇を照らすものとしては、些か心許ないものであった。

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