World Walker
悲鳴を上げて逃げ回っても、相手の数は尋常ではない。

前方から、左右から、背後から、地中から。

次々と退路を阻んで、りせを包囲していく。

袋小路に追い詰められてしまうのは時間の問題だった。

「あぁ…やだぁ…」

涙をボロボロこぼしてその場に蹲ってしまうりせ。

「助けてぇ…神様…マー君…」

頭を抱え、とうとう顔を伏せてしまう。

見ないようにした所で、何の解決にもなりはしないというのに。

我先にと、りせに伸びてくるグール達の手。

その時だった。

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