World Walker

追い求めていた男

「いい?お前達のようにヒエラルギーの最底辺に位置する人間どもがこの私に案内されるなんて大変な名誉な事なのよ?末代まで語り継ぎなさい、爵位級悪魔のアリカ・ローゼンハイム様に案内された事をね、尤も…」

一人ベラベラと喋りながら、アリカはふと肩越しにりせを見てほくそ笑む。

「語り継ぐ事は無理かしら…非ず者達の館に訪れた以上、人間ごときがもう生きて出る事など不可能な事だけど」

「どうでもいいけどさあ」

アリカのご高説など耳に入っていないと言わんばかりに、りせが呆れた顔をする。

「まだ着かないの?口ばっかり達者で歩くの遅いわね、アンタ」

「っっっっ!女ぁぁァッ!」

< 361 / 456 >

この作品をシェア

pagetop