World Walker

兄と妹

「……」

頬に触れる来栖。

拳を顔に入れられた経験など、いつ以来だろうか。

もしかしたら初めての事かもしれない。

そんな事を考えながら、彼はりせの方を見る。

「ちょっと、大丈夫ヘヴン?うわ、こんなに血が」

「心配ない…深くは達していない…」

りせはヘヴンの体を支えて楽な姿勢をとらせている所だった。

「ちょっとそこのミイラ!包帯分けなさいよ!」

「何故人間風情に手を貸さなければならないんです」

「何よケチ!いっぱい包帯持ってるくせに!」

クレオに無茶ぶりするサイドテール娘。

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