World Walker
その様子を見ながら。

「面白いな、りせ」

来栖は表情を緩ませる。

「…何がよ、顔殴られて喜ぶなんてアンタ変態?」

ヘヴンを休ませ、立ち上がるりせ。

「その、顔を殴るという行為一つ出来ない者が、ゴマンと存在するのだ。なぁ?」

自らの使用人達に声をかける来栖。

クレオも、リルチェッタも、ライガンもアリカも。

誰一人として来栖に深手を負わせた事のある者はいない。

故に来栖は暇を持て余していた。

悪戯に、己の命を狙う者を屋敷に招き入れて共に暮らすほどに。

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