World Walker
「つまらんな」

来栖はその場に立ったままだった。

彼自身は一歩も動いていない。

その場で『闇や影に手足を突っ込み』攻撃しているだけ。

例えりせがこの館の外に出ようと、彼は一歩も動かずにりせを攻撃できる。

世界の裏側まで行こうと、りせ自身の影があるだけで来栖は手が届くのだ。

反則としか言いようがなかった。

「俺の妹ならば、もう少し愉しませてくれないか。折角退屈を払拭できる相手と巡り合えたというのに」

< 402 / 456 >

この作品をシェア

pagetop