World Walker
そのりせはというと、血塗れだった。

死の世界では一滴の流血もなかったものの、今いるこの場は生者の住む世界だ。

『死そのもの』によって食われて消失した肉体の箇所からは出血して当然。

跪いて呼吸を乱している。

対するメグもまた疲労困憊だった。

禁呪の発動の為に貫いた胸の傷、注ぎ込んで枯渇した魔力、異界の扉を強引に閉じられた事による肉体への反動。

ダメージ的には、りせよりも遥かに大きかろう。

その証拠に。

「…まだやる?」

メグよりも早く、りせは立ち上がって見せた。

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