World Walker
超音速で飛行する戦闘機が、耳元を通過したような。

鼓膜が破れそうなほどの音が響く。

閃光弾でも爆発したかのような強烈な光。

それらに耳も目も眩まされる。

唯一、世界に影響を及ぼすほどの超常的な戦いの行方を見守っていた修内太がその影響下から解放される頃。

「……」

世界は元の公園へと戻っていた。

赤紫色の雷鳴轟く空も、赤黒い大地も、青空と砂地に戻っている。

それ即ち、メグの禁呪である異界の門が閉じた証拠。

りせのあの光によって、『無理矢理に閉じられた』のだ。

稀代の魔女の最大の奥義を、一介の少女が凌駕した。

いや、こんな芸当を見せた以上、最早りせは一介の少女などとは呼べないが。

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