World Walker
南米アマゾン川の主、エジプトの王墓を守護する者、獣人の名門血統、爵位級悪魔、禁書の技術を以って人間を捨てた者。

様々な闇の眷属が来栖の前に立ちはだかってきたが、結局彼を倒せる者は一人としていなかった。

聖痕を持つ祓魔師でさえ、来栖の前では神の加護を発揮する事はできなかった。

「それを…ここまでの傷を負わされたのは初めてだ…清々しささえ感じる…貴様は否定するだろうが、敢えてもう一度言わせてもらう。流石は我が妹だ」

「……」

りせは反論しない。

もう反撃の手立てが残されていない事で、意気消沈してしまっているのか。

最早彼女は、来栖に牙を立てられて血を啜られるのを待つばかり。

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