World Walker
だが、捨てる神あれば拾う神あり。

「!」

地平線の向こうから、小さな影が複数近づいて来る事にりせは気付いた。

この土地に来て、久し振りに見る人間の姿だ。

「やった!ラッキー!」

りせは大きく手を振って自身の存在をアピールする。

「おーいっ!ここ、こっこぉっ!」

早く見つけてくれ、私をどこか居心地のいい場所へと連れて行ってくれ。

そんな思いで呼びかけたりせは。

「んん?女だぜ?」

「しかも若い女だ」

呼びかけるんじゃなかったと速攻後悔した。

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