World Walker
やがてりせが連れてこられたのは謁見の間。

この女神国の統治者である女王との面会が許される場だ。

普通王族というと、市井の人々が口を利く事さえ難しい事だが、この女神国では比較的一般市民にも謁見が許され、女王もまた市井の人々の言葉に耳を傾ける傾向にある。

「お人好しの馬鹿者なのだ、この国の女王はな」

そう言って謁見の間の扉を開けると。

「誰が馬鹿者だと?紅」

ドレスを纏い、玉座に座った小柄な少女の姿があった。

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