白薔薇と童話姫

1−1





どうでも、いい。

世界が灰色に見える−−−そう形容するには相応しすぎる景色だと怜香は心の中で盛大にため息をつく。


皆からしたら普通の教室でも怜香の目に写る教室は、生気が無い。

まぁ怜香自身にも生気というものがでていないのだが。


学校のチャイムが鳴り、自席に座る。

何気ない日常が何よりも嫌いだった。


刺激の無い退屈した日々…女子高生の年頃の女の子には苦痛でしかなくて。

真っさらな黒板を見つめ、先生の話なんて右から左。


すると、ガラリとホームルーム中にも関わらず前のドアがガラリと開いた。

怜香はまだほお杖をつき、遅刻だと思われる人物が入ってくる扉をじとりと睨んだ。


だが。

入って来たのは、銀髪の青年だった。


怜香はそんな目立つ髪の青年など、見たことがなかった。

だからといって焦るわけでもなく、頭はすでに『転校生』だという事が理解できた。


怜香が通う学校でも目立つ髪の人間は結構居た。

怜香の高校はすべり止めで受けた高校で、平々凡々の学校だった。


それに飽きているのは怜香もそうだし、他の生徒もそう。

飽きてどうなるか、が違うだけだった。


髪を真っ赤にして煙草を吸っている男や、薬に手を出し気が狂っていた男。

女らしさなんて忘れたかのよう和式便所で用を足すような体制で下品にも大股を開く女。

煙草で前歯はヤニで黄ばんだ色に汚らしい暴言と罵声を浴びせ、髪はまるで偽物のように痛んでいる女。


煙草、薬、ストレス解消、冗談半分に興味翻意、遊ぶ金欲しさだけで身体を売る者も居た。

怜香も一度はそちらに転びかけたが、頭に過ぎったのはそうなってしまった自分の姿。


今の生活よりも酷く、今後の生活は下がるばかり。

それを思うと、そんな世界に足を踏み入れるなど到底できなかった。


きっと、銀髪の青年はそういう類の中に入るんだろうな、と怜香はぼんやりとそう思った。

銀髪の次に怜香の目に入ったのは、綺麗に整ったその顔。


ジャニーズにでも入れそうな、いわゆるイケメン。

すこし、胸にじわりとした熱いものが広がった。


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