先生の秘薬
それから

少しして

久遠先生が戻ってきた。


「さて、久遠ちゃんも
 戻ってきたし
 そろそろ帰ろっか♪」


「そうだね。」


「ん?もう帰るの?」


久遠先生が聞いてきた。


「うん♪私も悠月も
 家まで結構遠いから♪」


「あぁ。そうだったね。
 気をつけてね。」


「うん♪
 じゃあまた明日
 久遠ちゃん♪」


栞が勢いよく

化学室を飛び出した。


私も化学室を

出ようとした。


「あ、美倉さん。」



「はい。」



「明日、また放課後
 指導室に
 きてくれるかな?」


「わかりました。」


「うん。ごめんね。」


「・・・先生は
 悪くないよ・・・。」


私はそう言って

化学室を後にした。


「また呼び出し?」


化学室の前で

待っていた栞に聞かれた。


「うん。」


「まぁしかたないね。
 久遠ちゃんにも
 立場があるんだろうし。」


「そうだね・・・。」


「・・・帰ろっか♪」


「うん。」



栞の言いたいことは

わかるよ。



栞も私が

わかっていることを

わかっていて

何も言わないんだよね・・・。


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