あおぞら。
水橋さんがそう言った瞬間、客が会計にきたので会話は途切れた。
…無理ってわけでもないけれど。
沢田さんと話していくなかで、愛読書がわたしと一致しており、趣味や好みが合うことがわかった。
多分彼も、話が合うからわたしに懐くのだろう。
もちろん沢田さんと話すのは楽しい。
口下手なわたしにとって、ああいう人のように勝手にべらべら喋る人の方が一緒にいて楽。
しかしなにぶん経験がないもので、好意を持たれることを純粋に喜ぶより、戸惑いが勝って無意識に拒絶してしまう。
正直、沢田さんと男女の仲になるというのは、イマイチぴんとこない。
今までイケメンにしか見てなかったからだろうか。
でも顔にこだわってちゃ昔となにも変わらない。
これはチャンスだろうか?
こんなに異性から好意を持たれることなんて、この先二度とないかもしれない。