あおぞら。



水橋さんがそう言った瞬間、客が会計にきたので会話は途切れた。





…無理ってわけでもないけれど。



沢田さんと話していくなかで、愛読書がわたしと一致しており、趣味や好みが合うことがわかった。


多分彼も、話が合うからわたしに懐くのだろう。




もちろん沢田さんと話すのは楽しい。


口下手なわたしにとって、ああいう人のように勝手にべらべら喋る人の方が一緒にいて楽。



しかしなにぶん経験がないもので、好意を持たれることを純粋に喜ぶより、戸惑いが勝って無意識に拒絶してしまう。


正直、沢田さんと男女の仲になるというのは、イマイチぴんとこない。



今までイケメンにしか見てなかったからだろうか。



でも顔にこだわってちゃ昔となにも変わらない。



これはチャンスだろうか?



こんなに異性から好意を持たれることなんて、この先二度とないかもしれない。




< 11 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop