あの時も、これからも
「海斗、私の話したの?」

驚いたように尋ねてくるしるふに智香は首を振る

「いいえ、たまたま電話してる黒崎先生を目撃しまして。そのときに指輪してたから彼女いるんだなーって思って聞いてみたんです」

そしたら教えてくれましたよ

「っていっても名前も教えてくれないし、写真すら見せてくれなかったですけどね」

そこは少し不満なのか智香が瞳を細める

「でも海斗が私のことを話したってことは智ちゃん何気に気に入られてるってことだよ」

「そうなんですか?」

全然そんなそぶりなかったですけど、でか撃沈してばっかりだったんですけど

当時のことを思い出し智香はないな、とつぶやく

そんな智香に笑みを向けつつ

「うん、初めはそうだったかもしれないけど。何かあったんだよ。そうじゃないと海斗が他人に私のことを話すはずがないもん」

そう断言する

その様子に見えない確固たる信頼が感じられて智香はひとり瞳を細める

ああ、うらやましいな

純粋にそう思う

ここまで無条件で相手を信じられる、大切に想える関係を築いたことがない

そもそもそういう恋愛を望んではいなかったはずだ

なのに海斗としるふを見ていて、そういうのもいいかもしれないと思ってしまった
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