あの時も、これからも
んーと頬杖をついて目を細めながら見つめてくる智香にしるふは不思議そうな顔を向ける

「どうしたの?」

「いやー、なんかうらやましいなーと思いまして」

「うらやましい?」

何が?

しるふのブラウンの瞳が少し大きくなる

ああ、こんなに綺麗な瞳だもん、そりゃ黒崎先生も落ちるはずだわ、と智香は思う

「お互いにすっごく大切にしてるところが?おまけにお互いが大切にしてるってことをちゃんとわかってるところが」

つまり互いに互いをしっかり理解しているのだ

「そうかな…」

しるふは少し照れたように微笑む

そんな仕草の一つ一つがかわいいと思う

でも同時にきれいだとも思う

ふわりと揺れる少しカールした髪もきれいな輝きを放つ瞳も

穏やかな雰囲気も

すべて洗練されているようで

もし海斗の隣にいたらああ、とってもお似合いだな

「なんかわかったような気がします。黒崎先生がなんでしるふさんだったのか」

手元のコーヒーを見つめながら智香が静かにつぶやく
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