あの時も、これからも
海斗も今日は夕方で終業のはずだ

久々に家でゆっくりしようかという心境だろうか

にしてはその瞳に何か別のものがあるような気がする

ま、いいや

と視線を海斗から外して仕事にとりかかるしるふに

「じゃ、よろしくお願いしますね」

と莉彩が言い置き医局のドアを開ける

「はーい、あんまり無理しないでねー」

その背に声をかけると笑い声とともに

「立花先生、黒崎先生並みに過保護ー」

という莉彩の声が返ってきた

ばたんと音を立ててしまったドアに、隣にいる海斗が

「俺は過保護じゃないぞ」

と、少し瞳を細めてつぶやいた

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