Fate
何?
チャリーン…

あっ…まぁ、いっかぁ…
「落ちましたよ」

「えっ…?」

何?知ってるし!いいの、十円だから!!

「この辺だと思うんだけどな…」

えっ、ちょっと何を…

深夜のコンビニ。スーツ姿の男がいきなり私の落とした十円玉を探し始めた。

会計レジで代金を払おうとした時、ウッカリ手が滑った。

それを私の後ろでこの男が見ていたらしい。

床に両手、両膝をついてレジのカウンターテーブルの下を覗き込んでいる。
うちらの他にも数人の客はいるわけで…

正直、店員だってイラッときてるはず。

ほらねー

この人も学生さんかな?私と変わらない年頃のお兄さんが露骨にいやな顔をしている。


「いーですからっ!!十円だし!」

思わず感じ悪い言い方になってしまったが…

だって恥ずかしい…

「俺が嫌なんだってっ!」
えっ?

何で逆ギレ…?

「もぅ、ホントいいですから!サヨナラ!!」


いつまでも床に這いつくばっているこの男を残して、私は逃げるように店を出た。

なんて日なの?

もぅ〜イライラする。
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