おれんじ
「では……これで………」
そそくさと
行ってしまった梓さん。
いや、あれは逃げたに近いな……。
なんだかこの店長の部屋の扉が
異様に化け物じみたものに見えてきたよ……。
私は勇気を振り絞って
店長の扉のドアノブに手をかける。
ーーーそして
店長の部屋の
扉を開けた瞬間ーーー………。
爽やかなシトラスの香り。
懐かしいような
新鮮な感覚に気持ちが落ち着くような気がした。
この香りとともに
気になってくるのは店長の姿。
んっ?どこにもいない?