GuiltCrown


「………」

「抜けようなんて考えないでね。参加したからにはクリアまで付き合って貰うから」



レビテアがくすくすと笑いながら言った。

この人数をまいて逃げるのはそう難しくはない。
だがそのルートなんて考えている暇はなかった。


「……どうやら逃げる時間も無い様ですよレシル。船が来ましたもの」
「は?」


港を見つめるアーチェの視線の先をレシルが見上げた。






港には鈍い音をたてて、船がとまっていた。



「………」


無音でそこに佇む船を、ただレシルは恨むしかなかった。



「乗り込みましょう。先程のメールでは、携帯を見せれば乗せてもらえますから」


アーチェが入口に佇む船の警備員に携帯を見せる。
警備員は何も言わずに、アーチェを中にいれた。



「先いくわよー!」
「えぇっ!?待ってよレビテア!コン、行くよ!」

先に駆け出したレビテアをオリハルが慌てて追い掛ける。
残されたレシルにコンが近付く。



「ごー!うぃずごー!」
「…行かなきゃダメ…か…」


レシルも覚悟を決め、船へと歩き、進んで行った。






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