禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~




少女はきつく目を閉じ体を強張らせていたが、拒絶はしなかった。

少年の、何度も押し付けてくる唇を、少女の肌を撫ぜる手を、健気に睫毛を震わせながら受け入れている。


「…アン…アン……」


黒橡の瞳を切なそうに歪ませながら少年が少女の小さな肢体を抱き寄せると

少女は固く閉じていた目を開き、おずおずと薄紅色の唇を開いて言った。



「……リヲ……」



それを聞いた少年の瞳が見開かれ、驚きの表情を浮かべると、次第にその顔は幼子のような泣き顔へと変わっていった。




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