スイートペットライフ
「あ！ミィお帰り！遅かったじゃないか」

この状況で普通に挨拶された。

なので普通に返した。

「ただいま」

いつもと違うのは大倉さんの上に乗っている美女だけ。

その美女と目が合う。

「キャー！！」

美女の金切声で私はやっと現実に引きもどされた。

とにかくその場を離れようとしたけれど、足がもつれてしまってその場で尻もちをついた。

「ミィ、大丈夫！？」

大倉さんが、美女を押しのけて私のほうに駆け寄ってくる。

いや～見えてるから！大事なところ全開だから！

「こっちこないで！」

必死に両手で顔を覆い目の前のものを記憶から抹消しようとする。

そしてお尻をついたまま後ずさる。

「ミィ、お尻打ったんだろ？ちゃんとみせなさい」

「嫌です！あっち行って下さい」

そんなやり取りをしてると、別の人の気配を感じた。

指の間から、その人物を確認するとさっきの美女が鬼女になって仁王立ちになっていた。

尻もちをついている私の前で膝をついている大倉さん。

二人を見下ろしていた鬼女、もとい美女は手を振り上げた。

ばしーーん！

部屋に破裂音が響きわたる。大倉さんの頬には手の跡と爪のひっかき傷が……。

「サイテー！」

捨て台詞を吐いて、さっきまで乱れていた髪をなびかせながら部屋を出て行った。
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