スイートペットライフ
真田さんは大倉さんをフォローするために会議室にもどった。真田さんには一度事務所に戻る旨を伝えて、私は急いで所長に連絡をとり今の状況を説明し事務所へと向かう。

エレベーターを呼ぶボタンを押す指が震える。一体どうしてこんなことになったの？

真田さんの様子から大倉さんが窮地に立たされているのが分かった。

どんな状況でも仕事だけはきちんとしてきた自信がある。

ロビーまでエレベーターで降りて今日渡した資料の控えをめくる。

「な……なにこれ……！」

三ページ目までは私が作成した資料だったが四ページ目以降の資料がめちゃくちゃだった。

数字だけじゃない、資料は一五ページあるはずなのに十ページしかない。

確認しなかった私にもちろん責任がある。どうしてあの時少しでも資料の中身を精査しなかったんだろう。

自分の犯したミスで大倉さんが責められているのかと思うと胸が苦しくなる。

こんなことしてる場合じゃない。事務所に戻って確認しないと。

私は捕まえたタクシーが信号で停まるたびにイライラとしながらある人物を思い浮かべていた。

事務所へ到着するなり、私は四階の照井マミの元へと一目散に向かった。

たまたま階段ですれ違った佐和子先輩が私の様子がおかしいのに気が付いて話しかけてきたがそれどころではなかった。

「照井さん！」

四階のフロアに到着するなり入口で照井マミの名前を呼ぶ。

部屋の中央付近の席に座っている照井マミを見つけて近寄る。
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