スイートペットライフ
鼻をくすぐる、いい香りのトリートメントをスチームを当てながらしてくれた。ヘッドマッサージも極上でついうとうとしてしまう。

軽くドライしたあと、サクサクと鋏の音が聞こえる。

「あんまり長さ変えるなってリクエストされてるから、痛んでるところだけカットするわ」

そう言って手際よく髪を整えて行く。


肩甲骨のあたりまである髪が、ポニーテールにされた。

そしてそこをコテでくるくると巻かれる。

同時にメイクも施された。

「睫毛長いから、パーマしましょ。パーマ」

そう言って目を強制的に閉ざされて、いじられる。

パーマが終わると、メイク。

その間も

「高速でやるから目を閉じてなさい。あなたの意見は取り入れないから安心して」

ゴリラめ~。そこ安心するところ?

内心毒づくがまな板の上の鯉な私はそのままじっとしていた。

「できたわよ~」

ゴリラの声で目を開けた私は目の前の鏡をみて驚いた。

「これ…」

「私にかかればこんなもんよ」

ゴリラが自慢そうに鏡の中の私を見ていた。

「ありがとうございます。なんか自分じゃないみたい」

自然に笑顔がでる。それぐらい今日の私は自分史上最高に綺麗だった。(自分で言うのもなんだけど)
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