最愛~あなただけが~
 その沈黙を破って、鷹野さんが、突然無言で私を抱き寄せた。



(・・・・・・・!?)



 頭の中が真っ白になる。


「・・・っ。
 たっ、鷹野さん!悪ふざけが過ぎてますよっ。」


 私は、全身が心臓になったような感覚に襲われながら、鷹野さんから離れようと体を起こす。


「ふざけてない。」

 鷹野さんはそう言うと、私を再び抱き寄せて、その腕にもっと力を入れた。
 痛いくらいに。


「・・・ずっと、こうしたかった。」

 鷹野さんが私の耳元で囁く。


「好きだ。
 面接で会ったときから。」

 抱きしめた腕を緩めて、鷹野さんは私を見つめた。


「都築さんが、好きだ。」

 もう一度、鷹野さんは言う。


 その鷹野さんの声と私を見つめる瞳は、迷いのない、真っ直ぐなものだった。




第4章【年末年始】fin.



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