キミだけ。
『…て、何よそれ…今教えてよっ!お母さん~!』
いろいろいってみるけど、
「これ以上はだーめ。おもしろくないし。」
なにがっ!?
ものすごくいいたかった。でも、
知らない間にきれいなお母様はとても怖い般若と化していました。
…は、ははは―― ガクリ。
わたしはあきらめることにした。
お母さんは怒らせてはいけない。とても怖いから。
仕方なくそのときはそれで諦めて、
私の誕生日当日を待つことにした。
…あんまり引っ越しの理由には興味はなかった。
引っ越しはこれまでにも何回かあったからなれっこ。
全然お金なんてないはずの私の家は、ころころと移動する。
どこからそのおかねは来るんだろうと、いつも思っていた。
…けど、あえて言わなかった。
家そのものはいつもぼろ屋のアパートだったし。
どうせ払えなくて追い出されただけだろうと思ってたし。
…でも、今回は別だ。
聞かないと理解できない。