キミだけ。
今日はお母さんがが言っていた、
全部がわかる日。
そう、私の誕生日。 私も今日で16歳。
本当に高校一年生になったんだ。
少しうれしくなる。
…と、そんなことしてる場合じゃない!
一週間待ったんだから、ちゃんと聞かないと!
(一人で頭を悩ましていてもらちが明かないし!)
私は、お父さんの部屋に行くことにした。
なんでこんなことになっているのか早く知りたい気持ちでいっぱいだった。
べつに、この家に不満があるわけじゃないけど、
(というかむしろいいけど)
いきなりこんなお城みたいなところが家だなんていわれて
『信じられるわけないでしょ!』
こんなわけのわからない話!
冷静に考えればこんなにあせらなくてもよかった。
でも、混乱している私は、はやく本当のことが知りたかった。
たぶん、これはこれまで私が生きてきた中で一番焦ったことだと思う。