片想連鎖 ~伝えたい心~
その”面倒臭い人”は、直ぐに分かった。
その人は【 上杉 翔 】君と言って、
そんなに背は高くなく、多分170㎝位?
金髪に近い明るい色をした髪は、長め。
前髪も長くて邪魔にならない様に?なのか、
何故かヘアピンでとめている。
毛先は天然なのか、セットしてるのかは定かではないけど、カールしていて…。
顔は…なんて言うか、カワイイ系?
彼は笑うと八重歯が目立つようだった。
全体的に上杉君の印象を言うなら…
”チャラ男”に、つきる…。
偏見かもしれないけれど、その容姿だけで近寄り難いと思っていた。
なのに、彼は突然私に話しかけてきたんだ。
「あー!藤原明奈ちゃんだー!」
「っっ?!!」
「僕の事、知ってるー?」
「…いいえ。初めましてです。」
何だろうこのノリ…
どう、対処していいのか分からずオロオロしていると、見かねた絵里が会話に入って来てくれたんだ。
「上杉ぃー。うちの娘にちょっかい出すのやめてくんない?あんたのチャラさがうつったら困るしっ?」
「えー。絵里が同じクラスかよっ。面倒くせぇなー。ね?藤原明奈ちゃん?」
春休みの最終日に、絵里とのやり取りで鍛え上げられたのか、私は普段では絶対に言わない事を上杉君に言ったんだ。
「や、面倒臭いのは上杉君の方で、私はなるべく関わりたくないです。正直。」
と言ったら、上杉君はポカーンとした顔をしていて、絵里はツボに嵌まったのかしばらくゲラゲラと大笑いしていた。