片想連鎖 ~伝えたい心~

私がその想いに囚われ、両腕で自分を抱き締めた時、ナオはまた話し出す。


「言葉に…出来ない位、怒りでどうにかなりそうだった…っっ。」


「……ごめんなさい。」


「明奈じゃないっ。相手の男と…俺に…っ。」


そう言うと、ナオは苦しそうな表情をしながら俯いた…。


「男を見つけ出してボコボコにしてやるとか、俺が無理にでも明奈を繋ぎ止めていれば…とか。…色々考えた。」


「……ナ…オ。」


「だけど、そんな事したって…明奈が救われるわけじゃない。それに、もし、俺が明奈を無理に繋ぎ止めていたとしたら、どのみち俺達は終わってたんだ…。」


「………。」


「俺のこんな怒りの傷より…明奈が受けた傷の方が、何倍も深いんだ…」


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