片想連鎖 ~伝えたい心~

美樹は、私の佐々木君に対する態度を不思議に思った様で”何かあったの?”と言っているかの様に小首を傾げて見つめてきた。

それに対して私は”何でもないよ”と、首を横に振って見せた。

美樹が不思議に思うのは当然だった。
私は普段から人当たりを良くしていたし、この半年間、男子とは必要以上に接していなかったから。

美樹には、その2つの違和感を感じさせたんだと思う。


愛想なく接しているのにも係らず、佐々木君は私との会話を続けようとする。


「俺、藤原さんに何かしたっけ?」


「…別に。」


「あ!じゃあ、昨日の事気にしてるんだー?」


「…気にしてないしっ」


「俺達、ライバルだしね?」


「勝手にライバルにしないでよっ!」


「ププッ…!藤原さんは、ホント面白いね?」


「っっっ!!」


私はガバっと顔を上げて、勝ち誇っていたずらに笑う佐々木君をひと睨みしてから、
『私は面白くなんかないっっ!!バカっ!』
と罵倒して、校舎に向かって一人走って行った。


< 35 / 316 >

この作品をシェア

pagetop